「1th」や「2th」、「3th」と書かれた英語表記を見かけたことはありませんか?
見た目はそれっぽく見えるし、意味もなんとなく通じそう…でも、よく見ると少し違和感がありますよね。
実は、こうした“それっぽく見える表現”には、英語の順番を示すルールに関する思わぬ落とし穴が隠れています。
シンプルに見えるこのルールですが、実際には「th」をつけるだけでは済まない例外パターンがいくつもあるんです。
この記事では、「1th」「2th」「3th」などの表記は本当に間違いなのか?という素朴な疑問に丁寧に答えながら、正しい序数のルール、よくある誤解の背景、そしてネイティブに通じる表記のコツまでをわかりやすく整理していきます。
「1th」「2th」「3th」は間違い?英語の序数ルールと正しい表記
まず結論から言うと、「1th」「2th」「3th」は英語としては誤った表記です。
英語の序数(順番を表す表記)には、特別なルールがあるため、数字に単純に「th」をつければいいというものではありません。
とくに間違いやすいのが1・2・3のような前半の数字で、「1th」と書いてしまうとネイティブスピーカーにはかなり不自然に映る表現になります。
実際に正しい形は、 1st(first) 2nd(second) 3rd(third) というように、それぞれに対応した語尾が存在します。
それ以降の「4th」「5th」などと同じ感覚で、「1th」「2th」と書いてしまうのは、ルールを知らないまま感覚で書いてしまったときに起こりがちなミスです。
SNSの投稿やロゴ、プリント素材などで「1th Anniversary」といった表記を目にすることもありますが、これは見栄えの上では“ありそう”に見えるだけで、文法的には明確に間違いです。
英語では、順番を表すときに「序数(ordinal number)」という特別な形を使います。
そして、その形には「1st(first)」「2nd(second)」「3rd(third)」というふうに、特定の語尾(st, nd, rd)を使うルールがあります。
数字 | 序数(略記) | 読み方 |
---|---|---|
1 | 1st | first(ファースト) |
2 | 2nd | second(セカンド) |
3 | 3rd | third(サード) |
4 | 4th | fourth(フォース) |
5 | 5th | fifth(フィフス) |
つまり、「1th」や「2th」と書いてしまうと、
文法的にも意味的にも「存在しない形」になってしまうのです。
でも…なぜ「1th」「2th」「3th」をよく見かけるの?理由は?
そうなんです。 「英語として間違い」とわかっていても、実際には意外なほど多く目にするんですよね。
たとえば、こんな場面で見かけることがあります。
動画のサムネイルに「1th Round」
イベントのタイトルに「3th Anniversary」
海外のインディーズゲームで「2th Stage」
SNSや画像編集アプリのスタンプ機能などで「1th place」
一体なぜ、こうした誤表記が広まっているのでしょうか?
「th」を何でも付ければいい、という誤解から
最も大きな理由は、序数ルールの一部だけが知られてしまっていることにあります。
多くの英語教材では、4以降の数字に対して「th」を付けると説明されます。
4 → 4th 5 → 5th 6 → 6th 10 → 10th 20 → 20th 100 → 100th
この「数字 + th」のパターンが強く印象に残ることで、 「じゃあ全部thでいいんじゃない?」という誤解が生まれてしまうのです。
実際、「1st」「2nd」「3rd」だけが例外的なルールなので、 英語初学者や非ネイティブの人が「thで統一」してしまうのも、ある意味では自然な流れかもしれません。
自動翻訳やAI生成のミスが拡散を後押し
もうひとつ見逃せないのが、機械的な翻訳ミスや自動生成による拡散です。
たとえば――
- 海外ゲームの開発者が非ネイティブで、序数の使い分けを知らなかった。
- デザインソフトで英語表記を手入力する際、ミスに気づかないまま画像として出力されてしまった。
- 翻訳アプリや旧型AIが「1th」と誤って出力した文章が、そのまま共有・再利用された。
こうしたミスが、画像・動画・投稿の形でネット上に残り、誤表記があたかも正しいように見える環境を作り出しているのです。
一見わかりやすい“thルール”に潜む落とし穴
多くの英語学習者が引っかかるのは、「4th」「5th」「6th」など、多くの序数が「th」で終わるために、“数字にthをつければいい”と誤解しがちな点です。
たしかに、
- 4 → 4th
- 5 → 5th
- 6 → 6th
- 7 → 7th
- 10 → 10th
といったふうに、4以降のほとんどの数字は「th」をつけて序数にします。
しかし、それはあくまで「4以降」の話。
1・2・3だけは特別ルールがあるのです。
この“3つだけの例外”を知らずに「1th」「2th」「3th」と書いてしまう人がとても多く、それが英語圏では「不自然な表現」になってしまうわけですね。
序数ルールを一気に整理|例外パターンも含めた完全一覧
ここで、ややこしさを感じやすい序数のルールをズバッと全体像でまとめておきましょう。
▼基本ルール(序数の語尾)
- 数字の末尾が1 → 「st」
- 数字の末尾が2 → 「nd」
- 数字の末尾が3 → 「rd」
- それ以外は → 「th」
これが序数の基本原則です。
ここまでなら「簡単そう」と思えますよね。
でも、実はさらに大事な“例外”が隠れています。
11th・12th・13thが例外になる理由
多くの人がつまずくのがここ。
たとえば「11」は末尾が「1」なので、「11st」になると思ってしまいそうですが……
実は 「11th」 が正解です。
なぜなら、「11」「12」「13」は、“11〜13”という特定の数字範囲だけが例外扱いされるからです。
この3つは、たとえ末尾が1・2・3であっても、
“th”をつけるのが正式ルールになります。
数字 | 正しい序数表記 |
---|---|
11 | 11th |
12 | 12th |
13 | 13th |
これは英語の歴史的な語源や読み方に由来するもので、文法上もしっかりルールとして決まっています。
21st・22nd・23rdはOK?複数桁での扱い方
「じゃあ、21はどうなるの?」
そう思った方もいるかもしれませんね。
ここからが序数ルールの“もうひとつの分かれ道”です。
21、22、23、31、32、33……といった2桁以上の数字の場合は、最後の桁だけを見て判断するのが原則です。
数字 | 正しい序数表記 |
---|---|
21 | 21st |
22 | 22nd |
23 | 23rd |
24 | 24th |
31 | 31st |
このように、「末尾の数字が1ならst、2ならnd、3ならrd」と判断します。
つまり、「21st」は正解、「22th」は誤りということになります。
112はどう書く?3桁以上の序数ルール
さらに発展的な例として、100を超える数字の序数も確認しておきましょう。
基本的には、これも「最後の2桁」に注目して判断します。
- 112 → 「112th」
(なぜなら、112の末尾は「12」であり、11〜13はthで終わる例外だから) - 113 → 「113th」
- 121 → 「121st」
- 122 → 「122nd」
つまり、最後の“2桁”が11〜13のときだけ例外的に「th」を使うということですね。
このあたりは少し混乱しやすいので、ポイントを押さえておくと安心です。
英語の序数の実際の使い方とよくある表現例
では、序数は英語の中でどんな場面で使われるのでしょうか?
いくつかの典型的な使用例を見ておくと、記憶の定着にもつながります。
誕生日の表現
Today is my 21st birthday.(今日は私の21歳の誕生日です)
順位やランキング
She won 1st place.(彼女は1位を獲得した)
日付表現
March 3rd, 2025(2025年3月3日)
階数の表現
He lives on the 2nd floor.(彼は2階に住んでいる)
列や順番
The 4th person in line.(列の4番目の人)
これらの文脈では、「1th」「2th」などの誤表記を使ってしまうと、正しく伝わらなかったり、読み手に「ん?」と思われてしまう可能性があります。
1thと書いてしまう理由|日本語話者が間違えやすい背景とは
とはいえ、「1th」という表現を使ってしまうのは、決して変なことではありません。
むしろ、英語に不慣れな人にとっては、とても自然な誤りとも言えます。
というのも、日本語では「1番目」「2番目」「3番目」とすべてに「番目」をつけるだけで成立します。
つまり、1にだけ特別な語尾を付けるといった概念がそもそも存在しないんです。
そのため、数字の後ろに「th」をつければすべて序数になると考えてしまいやすく、
「1th」「2th」「3th」と続けて書いてしまうのは、日本語的な感覚のまま英語にあてはめた結果といえます。
また、表面上はそれらしく見えることも影響しています。
たとえば「10th」「20th」など、すべて「th」で終わるため、「あれ、もしかして“全部thでいいんじゃ?”」と思ってしまうんですね。
英語教育の中でも、序数のルールは意外とさらっとしか触れられないことがあり、
意識して覚えていないと、社会人になってからも「なんとなく」書いてしまうことがあります。
1thを実際に使うとどうなる?|間違った表記による印象とリスク
ここで気になるのが、「1thと書いたら実際どうなるの?」という点です。
結論としては、英語圏の人にとって「1th」という表現は明らかに誤りとして認識されます。
メールやレポート、プレゼン資料にこの表現が含まれていると、「英語に慣れていない人だな」という印象を与えることがあります。
とくにビジネス文書や海外とのやり取りの中では、「ちょっとした誤字」に見えるかもしれませんが、細かな部分まで気を配れる人かどうかという印象にも関わってきます。
もちろん、日常会話レベルでは意味は通じるかもしれません。
ですが、英語ネイティブであればあるほど、「違和感のある語尾」はすぐに目についてしまうもの。
たとえば「1th Anniversary」と書いてしまった場合、
日本人の感覚では「1周年記念っぽいし、問題ないかな?」と思ってしまいますが、英語的には明確に「誤表記」となります。
こうした小さなミスが積み重なることで、伝えたい内容の信頼性や正確さまでが疑われてしまうケースもあるため、
とくに人前で使う表現や文書では注意が必要です。
英語で序数を書くときのコツ
英語で序数を使うとき、ほんの少しのコツを知っておくと、間違いを防ぎやすくなります。
この章では、英語にあまり自信がない方でも実践できる工夫をいくつか紹介します。
「読み方」と「書き方」をセットで覚える
たとえば「1st(first)」というように、「数字+綴り(つづり)+読み方」の3点セットで覚えておくと、
頭の中で音と形が結びつきやすく、書くときにもスムーズに出てくるようになります。
紙に書いて覚えるだけでなく、声に出して練習してみるのもおすすめです。
読み方を意識するだけで、自然と「1th」ではなく「1st」が浮かぶようになることもあります。
「曜日」「日付」とセットで練習する
序数は、曜日や日付といっしょに使われる場面がとても多い表現です。
たとえば:
- June 1st(6月1日)
- Her birthday is on the 3rd.(彼女の誕生日は3日です)
というような使われ方ですね。
日常的な表現の中で意識的に触れることで、ルールが自然に身についてきます。
カレンダーやスケジュール表に「1st」「2nd」などが使われているものを見てみるのもよい練習になるでしょう。
「st」「nd」「rd」「th」の順番を思い出す語呂をつくる
覚えづらいと感じる方は、語尾の順番を語呂合わせにして覚えるのも一つの方法です。
たとえば:
「スタンドサードス」= st(1)nd(2)rd(3)th(それ以降)
のように語感で覚えておくと、「3までは特別、それ以降はth」と頭に残りやすくなります。
ただし注意点として、11〜13は例外的にすべて「th」で終わる(11th・12th・13th)というルールもあるため、機械的に語呂だけで判断せず、例外の存在もあわせて意識することが大切です。
もちろん無理に語呂を作らなくても、ルールを知って意識して書くだけでも効果は十分あります。
自分に合った覚え方を見つけてみてください。
まとめ
英語の序数表記には、思った以上に“例外”や“例外の中の例外”が潜んでいるものです。
「数字にthをつければいい」というイメージだけでは対応しきれない理由が、今回の内容で少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
とくに、1・2・3のような小さい数字にだけ適用される特別な語尾や、11〜13のような例外中の例外ルール、そして桁数が増えたときの判断方法など、知っておくと自信を持って英語を使いやすくなる場面は意外と多くあります。
この記事で紹介したルールやコツは、すぐに覚えきれなくても大丈夫です。
まずは「1th」「2th」「3th」のような表記には注意が必要なんだな、という意識だけでも、今後の表現にきっと活かせるはず。
少しずつルールを整理していくことで、英語の表記にも自然と慣れていけるようになります。
焦らず、自分のペースで確認してみてくださいね。
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